初めて一般公開された拝殿。一般来場者を含むたくさんの方々が訪れ、まばゆく輝くご本尊・阿弥陀如来様に参拝した後、住職の法話に耳を傾けました。今回は10分ほどの短い法話でしたが、「もっとじっくりと法話を聞いてみたい」という声も多く寄せられました。
金剛寺の聖域ともいえる浄土庭園も初めて一般公開されました。池を回遊する小径からは、ライトアップされた六角堂や法堂を望むことができ、水面に映る姿も壮麗で幻想的でした。
「極楽の間」の壁画は、極楽浄土の世界を描いたもので、金剛寺造営のモデルともなりました。池越しに明るく浮かび上がるその光景は息を呑むように美しく、まばゆい浄土の世界が現れたかのようでした。
会場入り口から奥へとまっすぐ続く道には、春、夏、秋の光景を描く3つの回り灯籠や、ろうそくの灯りが美しい弧を描いて並べられ、来場者をメイン会場の広場へと導きます。
色とりどりの風ぐるまが、カラカラとさざめくように回る小径。ブラックライトが風ぐるまを鮮やかに浮かび上がらせ、不思議な世界を出現させていました。
会場入り口から拝殿へと向かう小径には、書家・憬水(けいすい)さんによる書のアートメッセージが並べられました。 シンプルで温かいメッセージ、遊び心のある書とアートが一体となった作品に、多くの人が足を止めて見入っていました。
会場内を埋め尽くす1万ものろうそくは、来場者の皆さんにより、一つひとつ祈りを込めて点灯されました。自分の手でともした灯りが「光の海」となって広がる光景は、格別に美しく、思い出深いものになったのではないでしょうか。
午後6時のオープニングとともに、念法眞教の楽人たちが雅楽を演奏しながら会場内をゆっくりと練り歩き、最後に拝殿前に整列。拝殿の扉が開け放たれ、ほの灯り金剛寺2011の幕が開きました。
ステージでは、雅楽の演奏をはじめ、念法眞教の青年による「千手観音ダンス」や、インドネシアの民族音楽「ガムラン」の演奏と踊りが披露されました。春の「花びより金剛寺」で好評だった千手観音ダンスは今回も大人気で、ステージ終了後も会場内を回って来場者を楽しませていました。
願い事を書いた灯りを奉納する「一念祈願 あかり奉納」。家族や親しい人との絆を深めたいという願いが多く見られ、来場者の方々が絆に寄せる思いの強さが感じられました。
野点の席では、ゆったりとお抹茶を楽しんでもらえるよう、一人ひとり時間を取って、丁寧にもてなされていました。
広場を見下ろす小高い丘で、ゆらゆらと風に揺れるのは色とりどりの「光るすすき」です。広場から見上げると、丘全体が揺れ動いているような不思議な感覚です。 丘の上の森では、カラフルな「光るきのこ」が人気の的。子どもたちや若い女性はもちろん、大人たちも童心に帰って「かわいい!」「きれいだね!」と歓声を上げていました。
休憩場所の「ほの灯りカフェ」では、お餅つきの実演が行われ、つきたてのお餅がふるまわれました。また、おはぎや湯茶の接待もあり、飲食や会話を楽しむ大勢の人で、終始賑わっていました。
名前と、その人から連想される言葉を書にしたためてくれる「書のパフォーマンス」は、順番待ちの長い行列ができるほどの大人気。パフォーマーは、着流しに下駄履きという印象的な風貌の朴井さん。路上パフォーマンスで鍛えたという即興の書に、受け取った人たちは大喜びしていました。
白いうちわに手形を描き、好きな色を塗ったり、絵を描いたりして、自分だけのうちわを作れるワークショップには、大勢の子どもたちが押し寄せました。指導したのは、「安らぎと絆の小径」のアートメッセージの作者で、子どものアート教室も開いている書家の憬水さん。時間をかけてじっくり描き込んでいく子や、2枚、3枚と作る子など、思い思いにうちわ作りを楽しむ様子が見られました。
「風船で遊ぼう」のコーナーも子どもたちに大人気でした。バルーンアーティストの松本おにいさん、山口おねえさんに、風船で動物や冠、剣などを作ってもらうだけでなく、子どもたち自身も作ることができるのですが、ねじりすぎて「パンッ!」と割ってしまう子どもも続出。笑顔と歓声が絶えない楽しい時間は、催しの最後まで続きました。
楽しく過ごしたひとときも、あっという間に過ぎ去り、いよいよ別れのとき。お揃いの青いポロシャツを着た念法青年会の10代、20代の若者たちが、ろうそくが灯ったカップを手に、おむかえ広場に並んで来場者を見送りました。 全国の念法支院から集まった青年たちは、研修の一環として参加していたのですが、礼儀正しく、明るく元気に来場者をもてなす姿が印象的でした。